メニュー

乾癬(かんせん)

乾癬の治療方法

治療方法は大きく分けて4つあります。

●外用療法

●光線療法(紫外線療法)

●内服療法

●生物学的製剤

症状や生活様式に合わせて、これらを単独で用いたり、組み合わせたりします。一般的には外用療法から始め、効果が十分でない場合に光線療法、内服療法、生物学的製剤へと進めていきます。4つの治療方法にはそれぞれ長所と短所があります。よく相談して治療を進めていきましょう。

getalong_img01

外用療法

乾癬の治療の基本は外用療法です。ぬり薬には主に2つの種類があります。

1)ステロイド外用薬 ~炎症を抑える~

白血球の活動や血管の拡張を抑えることで炎症を鎮める薬剤で、特に紅斑(赤い発疹)の治療に効果的です。効果が比較的早く現れますが、長期に漫然と使用することで皮膚萎縮や毛細血管拡張などの副作用を生じる場合もあります。

2)ビタミンD3外用薬 ~表皮細胞の増殖を抑える~

乾癬になった皮膚は表皮細胞が異常な速さで増殖しています。増殖を抑え、正常な皮膚に導くのがビタミンD3で、特に鱗屑(白い粉のようなもの)や皮膚の盛り上がりの改善に効果的です。効果が現れるのは比較的遅い薬剤です。

therapy_img

乾癬とのつきあい方

乾癬は長く付き合っていく疾患です。 悪化要因を知り、生活習慣を見直して根気よく治療を続け、少しでも快適に過ごせるようにしましょう。

乾癬を悪化させる原因

○気候 ~冬に悪化~

一般的に、湿度が高く日差しが強い夏には症状が軽快し、皮膚が乾燥しやすく日光にあたる機会が少ない冬には症状が悪化します。

○ストレス ~重大な悪化要因~

ストレスは、季節変化と同様に重大な悪化要因です。
仕事や対人関係の悩み、家庭内のトラブルなど、さまざまなストレスが発症・悪化の引き金となります。乾癬そのものに対する不安やイライラがストレスとなり、症状を悪化させるという悪循環も起こり得ます。

○食事・嗜好品・生活習慣 ~不摂生は悪化の元~

カロリーの高い食事(肉類・脂肪分)は乾癬を悪化させるといわれています。香辛料などによってかゆみが増し、掻くことで乾癬が悪化したという報告もあります。 お酒やタバコも悪化要因ですので、できる限り控えましょう。
さらに、睡眠不足や不規則な生活が原因で症状が悪化することもあります。

○外傷 ~掻き傷から新たな発疹~

症状がない皮膚を掻いたり傷つけたりすると新たに発疹ができることがあります。これが乾癬の特徴である「ケブネル現象」で、掻き傷、切り傷、やけど、虫さされ、靴ずれ、ヒゲ剃りなどのささいな傷や、衣服、メガネなどの刺激によっても起こることがあります。

association_img

○感染症 ~風邪には注意~

風邪や扁桃腺炎(へんとうせんえん)、喉頭炎(こうとうえん)などの感染症にかかると、乾癬が再発したり、悪化したりすることがあります。

○既往症・合併症

乾癬患者さんには、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、リウマチ性疾患、痛風、扁桃腺炎、歯牙感染、腎炎、肝炎などを患っている(患っていた)人が多い傾向があります。
因果関係はわかっていませんが、これらの病気が悪化すると乾癬の症状も悪化することがあるので、あわせて治療していくことが大切です。

食生活で気をつけること

○バランスの良い食事を
厳密な食事制限は必要ありません。ただ、カロリーの高い食事は悪化要因となることがあります。また、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)、肥満なども乾癬発症と関連していることが報告されています。暴飲暴食はやめて、カロリーや脂質を控えめに、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

○肉類より魚類がおすすめ

肉類や脂肪分のとりすぎは、乾癬を悪化させるといわれています。
肉類より魚類をとるようにし、揚げ物や、油を多く使った炒め物は控えめにしましょう。刺激の強い食品は、かゆみを増すので避ける香辛料などの刺激物、熱いスープなどは、かゆみを誘発したり強めたりすることがあります。かゆみの出やすい人は避けたほうが良いでしょう。

○お酒はほどほどに

飲酒もかゆみが増すきっかけになりますので控えめにしましょう。

○タバコはやめましょう

タバコを吸うとのどを痛め、乾癬の悪化要因である風邪や扁桃腺炎などにかかりやすくなります。喫煙は多くの病気の原因、悪化要因になりますから、禁煙しましょう。

入浴時に気をつけること

○ぬるめのお湯に短時間
長時間の入浴、熱めのお湯は、かゆみを増します。ぬるめの温度にし、できるだけ長時間の入浴は避けましょう。
○ゴシゴシ洗うのは厳禁
鱗屑が気になってゴシゴシ洗って落としたくなる患者さんが多いようですが、こすりすぎるとケブネル現象を起こし、症状を悪化させてしまいます。ナイロンタオルやヘチマ、垢すりなどは使わず、せっけんをよく泡立て、赤ちゃんを洗うようにやさしく洗いましょう。

○外用薬は入浴後すぐに
外用薬は、入浴後すぐに塗ると効果的です。冬季など乾燥している季節には、保湿薬を併用するのも良いでしょう。
○洗髪もやさしく
フケを落とそうとして、指を立て力を入れて洗うと症状を悪化させます。こすらずやさしく洗いましょう。
○ストレスをためない
ストレスは乾癬を悪化させる大きな要因です。できるだけ明るく前向きな気持ちで過ごすよう努めましょう。夢中になれる趣味を持つこと、散歩やスポーツなどで気分転換を図ることなども効果的です。

○できるだけ日光を浴びましょう
休日などは半袖、半ズボンで過ごすと良いでしょう。人目が気になる場合は、紫外線をよく通す薄手の衣類を着用しましょう。
※急激な日焼けや発汗で発疹やかゆみが悪化する場合があるので注意しましょう。
 
○規則正しい生活を送る
不規則な生活や睡眠不足も悪化要因です。十分な睡眠とバランスの良い食事を心がけ、規則正しい生活を送るようにしましょう。
 
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME